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これから世に出るであろう新しいキャラクターの色設定をさせていただく機会がありました。もちろん詳細は言えないのですが、複数人数のキャラクターの各イメージカラー(「センターのキャラが赤色」など)のRGB色を元に、CMYKと特色DIC、Pantoneを設定するものです。これはその時のお話です。

デジタルの世界で生まれたキャラクターがモニターを飛び出し、印刷されてグッズ等になる将来のためにCMYKや特色を設定する必要があります。ここで基本となるのは最初のRGB色で、生みの親がキャラクターのイメージや性格を表現したものなので大事な基本の色になります。さて、RGBからCMYKへの変換はデータ上で行い、出力して印象に違いがないか確認します。RGB特有の彩度の高い色はCMYK変換すると色が濁ってしまいますが、これは妥協せざるを得ません。

特色はDICの選定から行いました。ここでも基本にするのはRGBです。RGBの数値から色が近いDIC番号を検索するWeb上のツールもあるのですが、数値をぴったり合わせることができなかったり伝統色シリーズ(日本、中国、フランス)が候補にないので、あまり参考になりません。複数のキャラクター全体を見て、1人だけこんなに彩度が高くないよな…などとバランスを取りながら1名につき2〜3色のDICを選択して、さぁ提案!

ところが「改めて色チップを選びませんか?」と。ご依頼の担当者さんと会ってDICを選び直したのですが、こちらで想定したよりもずっと渋い色味だったのです。お互いのノートPCのモニターの光度といいますか、Macと他の違いなのか、私はずいぶん明るい色を見ていたようです。キャラクターのイメージカラーとは、モニター云々も大事ですが、製作者の頭の中にある色が唯一の正解だと思った一件でした。

DIC色が決まれば同色のPantoneを選ぶだけなのですが、Pantoneチップそのものの印刷が荒かったり、チップ番号の並びが数字通りではなかったり…。当然まったくの同色があるとは限らないので、この色とこっちの色のちょうど間が欲しい!などもどかしい思いをしながらPantoneチップを選んだのでした。

目は疲れるし、色の違いもわからなくなってくるし、チップを触る指の脂をしょっちゅう拭いてみたり…
オンライン会議などでコミュニケーションは取れますが、実際に見ないと分からないもの、そんなものを扱う仕事もやはり楽しいものですね。彼らが世に出る日を待ちます。

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